どんなライフイベントの準備に活用できる?

住宅ローンの返済
資産形成は両立できる?

住宅ローンの返済と資産形成は両立できる?

 住宅ローンの返済をしながら、NISAを活用することはできるでしょうか。「住宅ローンの返済」と「資産形成」の両立について、ミライ研のアンケート調査でお伺いした結果が【図表1】です。

図表1 住宅ローンの返済中に資産形成に取り組むかどうか
図表1 住宅ローンの返済中に資産形成に取り組むかどうか
  • (出所)三井住友トラスト・資産のミライ研究所「住まいと資産形成に関する意識と実態調査」(2023年)
  • *回答者:住宅ローン利用経験者

 全体では「住宅ローンと資産形成の両立派」が32.7%、「ローン返済優先派」が40.4%となりました。また、年代別に確認をすると60歳代以外の年代においては「ローン返済優先派」が優勢となりました。
 住宅ローン控除の適用を受ける等して手元に資金ができた場合、「ローン返済と資産形成を両立」すべきかそれとも「ローン返済を優先(繰上返済を実施)」すべきか、それぞれの主なメリット・デメリットとして【図表2】があげられます。

図表2 「ローン返済・資産形成両立」と「ローン返済優先」の主なメリット・デメリット
ローン返済と資産形成を両立
(余裕資金は資産形成に充てる)
ローン返済を優先
(余裕資金はローンの繰上返済に充てる)
メリット
  • 資産運用の結果次第で、資産の増加が期待できる
  • 総支払い利息(金利負担)を軽減できる
  • 繰上返済によって返済期間を短縮すると、より早くローンから解放され、将来の家計収支の改善が期待できる
デメリット
  • 資産運用の結果次第で、資産が目減りする可能性がある
  • 借入時の見込みよりも金利上昇局面になった場合、金利の変動リスクが残る
    (変動金利型や固定金利期間選択型の場合)
  • 手元の資金が減ってしまう
  • 残高が減ることで、住宅ローン控除の控除額も減少する
  • 金融機関によっては、繰上返済に手数料がかかる

(出所)三井住友トラスト・資産のミライ研究所作成

 では、「ローン返済と資産形成を両立」している人たちは、どれくらいの金額を資産形成に充てているのでしょうか。ミライ研のアンケート調査でお伺いしたところ、年間で95万9,000円、毎月およそ8万円という結果となりました【図表3】。

図表3 年間の資産形成額
図表3 年間の資産形成額
  • (出所)三井住友トラスト・資産のミライ研究所「住まいと資産形成に関する意識と実態調査」(2023年)よりミライ研作成
  • *回答者:住宅ローン返済中かつ資産形成に向けて何らかの取り組みをしている方(1,042名)

 さらに優遇制度の利用状況についても確認をしたところ、58.8%の方は何らかの優遇制度を利用していることが分かりました【図表4】。

図表4 優遇制度の利用状況(利用している制度については複数回答可)
図表4 優遇制度の利用状況(利用している制度については複数回答可)
  • (出所)三井住友トラスト・資産のミライ研究所「住まいと資産形成に関する意識と実態調査」(2023年)をもとにミライ研作成
  • *回答者:住宅ローン返済中かつ資産形成に向けて何らかの取り組みをしている方(1,042名)

 その中でも特にNISA制度(※2023年に実施したアンケート調査のため、旧制度の「つみたてNISA」と「一般NISA」の利用状況についてお伺いしています)は、つみたてNISAと一般NISAの利用者が合計で32.3%と3人に1人はNISAを利用していました。

 金利上昇ムードも高まってきていますが、改めてご自身の借入内容について見直したうえで、今後の返済計画のみならず他のライフプラン・マネープランの状況も含めて、「ローン返済と資産形成を両立」するのか「ローン返済を優先」するのかを検討することが重要です。


  • ※掲載内容は2024年2月時点のものです
  • ※投資信託についてのご注意事項はこちらをご確認ください
  • ※NISA制度(少額投資非課税制度)・ジュニアNISA(未成年者少額投資非課税制度)およびNISA口座・ジュニアNISA口座についてのご注意事項はこちらをご確認ください
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