30代・40代は、生活様式や、ライフスタイルの幅が広がり、大きなライフイベントを経験する方も多くなる年代かと思います。ですので、目的に応じた資産形成手段をより真剣に考える必要が出てくるタイミングといえます。同年代の方々がどういった資産形成を行っているのか、ミライ研のアンケート調査から見てみましょう。
世の中の同年代は、どれくらいの金額を資産形成しているのでしょうか?もちろん、家族構成や生活様式によって収支バランスには大きな幅があるかと思いますが、ミライ研で実施したアンケート調査によると、30代・40代の方の年間資産形成額は、平均で年間約112万円、毎月約9万円であることが分かりました【図表1】。あくまで参考ですが、資産形成に回す金額イメージがわかない場合は、こちらの金額を目安に検討されるのもひとつかと思います。
また、実際にはどういった方法で資産形成を行っているのでしょうか?注目を集めているNISA制度はどの程度利用されているのでしょうか?ミライ研のアンケート調査で「資産形成制度の認知度と利用状況」について30代・40代の方にお伺いしたところ、NISA制度など各種制度について、認知はしているものの、実際の利用者はまだまだ少ないということが分かりました【図表2】。現状では、まだまだ資産形成制度を上手に活用できているとは言えない状況にあるかと考えられます。
1年間で一定の金額が資産形成されているにもかかわらず(【図表1】)、お得な資産形成制度はそこまで活用されていないことがわかりました(【図表2】)。結果として、預貯金をベースとして資産形成を行っているケースも現状では多いことが想定されます。一方で、現在の日本における預貯金利率は低水準であり、ライフイベントに備える資金の準備や、長期的な資産形成を行っていくためには、資産形成制度を上手く活用していくことが重要です。非課税期間が無期限で、途中で取り崩しを行っても枠の再利用が可能なNISA制度は、ライフイベントが多い30代・40代の方が、将来の目的に合わせて資産形成を行う器としても最適です。
9万円を「預貯金(年率0.01%)のみ」で運用した場合と、「預貯金4万円(年率0.01%)+NISA(年率5.0%)5万円」で運用した場合を比較したのが【図表3】です。30年後には、預貯金のみでは「3,245万円」、預貯金+NISAの組み合わせでは「約5,519万円」と大きな差になることが分かります。
30代・40代は、共働き世帯も多いことから、仕事、子育て、介護など忙しく、とりあえず資産形成には取り組んではいるものの、「資産形成制度の利用」まで考える時間や余裕がない、という方も少なくないと思われます。そのような場合は、自分だけで思い悩むのではなく、金融機関やFPなどの専門家に相談してみることも、有効な手段の一つと思われます。