私の年代にあった活用の仕方って?

ラッキーな
20のあなたに!

ラッキーな20代のあなたに!

 20代のみなさんは、とてもラッキーです!働き始めて資産形成をスタートしようと検討したタイミングで、すでにさまざまな優遇制度がみなさんを待ち受けています。時間を味方につけて早くから資産形成に取り組んでいただきたいところですが、まず取り組むにあたって一緒に身に付けてほしいのが「金融リテラシー」です。

 例えば、資産形成の初めの一歩は何でしょうか?NISAの制度内容について知ること?儲かりそうな株を調べること?・・・・・・いえいえ、ご自身の収入と支出をきちんと把握し、収入が支出を上回るように(収支が黒字になるように)家計管理を行うことです。適切な家計管理を行うことで、毎月、どの程度、資産形成にお金を回していけるかの見通しを立てることができます。

 その見通した金額とみなさん自身のライフプラン・マネープランを照らし合わせて、お金をどこに置いておくかということを考えることが次のステップです。
 お金の置き場所には、大きく分けて「貯蓄」と「投資」があり、その2つの違いを理解しておく必要があります。また「投資」に似た言葉で「投機」がありますが、投資とは全く異なる行為です。

図表1 「貯蓄」「投資」そして「投機」とは
貯蓄 投資 投機
  • 金融機関に預金や貯金としてお金を預けること
  • 基本的には元本保証で、いつでも自由に引き出せる
  • 現在の日本は非常に低金利で、長期間預けてもあまり利息はもらえない
  • お金を「お金と異なる資産」に変え、何らかの経済活動に資金を供給し、その成長の結果、生み出された収益の一部を利益として受け取ること
  • 資産の価格が変動するため、投じた資金が増えたり減ったりする
  • 不確実だが当たれば利益の大きい事をねらって資金を投じる行為
  • 例えば、「資産」の価格の動きを予測し、上がるか下がるかに賭けた売買を行うゼロサム(マイナスサム)ゲームがある。この場合は誰かが利益を得れば、誰かが損失を被ることになる

(出所)三井住友トラスト・資産のミライ研究所作成

 また、「投資」と一口に言ってもさまざまな取り組み方があります【図表2】。

図表2 投資への取組み方
プロフェッショナル
としての投資
趣味としての
投資
マネープランとしての
投資
  • 職業として「投資」に取り組むケース
  • 金融に関する高度な知識や専門性が必要であり、為替や株価といった金融市場に向き合って「投資」に取り組むこと
  • 「音楽を聴くのが趣味」「映画鑑賞が趣味」と同じように、自分自身の趣味や楽しみとして「投資」に取り組むケース
  • 自身の「資金の余裕度合い」と価格の変動に対する「気持ち面での余裕度合い」にマッチする資産を選び「投資」に取り組むこと
  • 自身のライフプランや将来のキャッシュフローなど、「金融資産の積立計画・取崩計画」をふまえて、その計画の1つの実践手段として「投資」に取り組むこと

(出所)三井住友トラスト・資産のミライ研究所作成

 「投資」と聞くと、日夜、株式の動向に目を凝らし、常に金融の専門的な知識をインプットし続けないと取り組めない大変で難しいものとイメージされがちです。しかし、若いみなさんに“まず”取り組んでいただきたいのは、「マネープランとしての投資」です。世界経済の成長に沿って成長をする「株式」や「債券」といった資産に長期・分散投資をし、長い目線で自身の資産も成長させていきましょう。

 また、資産形成を実践していくうえで、忘れてはならないのはお得で便利な制度です【図表3】。

図表3 資産形成を実践していくうえで確認しておきたいお得で便利な制度
積立貯蓄・
積立投資
毎月、普通預金口座から自動的に定期預金口座へ振り替えるといったサービスや、あらかじめ指定された金融商品を定期的に購入するといったサービス
取り扱いのある各金融機関で申し込みを行う
財形貯蓄
制度
勤務先が所属員の資産形成のために設けている制度
毎月、積み立てたい金額を設定しておけば、勤務先が給与や賞与などの支給時に指定の金額を天引きし、財形への積み立てを行ってくれる
持株会 勤務先が所属員の資産形成のために設けている制度
毎月、積み立てたい金額を設定しておけば、勤務先が給与や賞与などの支給時に指定の金額を天引きし、積み立てを行ってくれる
多くの企業では拠出金額に対して一定の「奨励金」が上乗せされるため、その分だけ多くの株数を積み立てることができる
NISA
制度
株式や投資信託などの金融商品に投資をした際に、本来であれば配当や売却益に対してかかる税金が非課税となる制度
確定拠出
年金制度
セカンドライフの資金作りのための制度
勤務先が設けている「企業型確定拠出年金制度(企業型DC)」と個人で実施する「個人型確定拠出年金制度(iDeCo)」がある
①掛金全額が所得控除となる ②運用益が非課税で再投資される ③将来、年金として受け取る場合は「公的年金等控除」、一時金の場合は「退職所得控除」の対象になる という3つの税優遇がある

(出所)三井住友トラスト・資産のミライ研究所作成

 2024年からスタートしたNISA制度が世の中的には非常に注目されていますが、それだけではありません。ご自身が活用できる制度を確認し、ライフプラン・マネープランに沿った形での利用を検討してみましょう。


  • ※掲載内容は2024年2月時点のものです
  • ※投資信託についてのご注意事項はこちらをご確認ください
  • ※NISA制度(少額投資非課税制度)・ジュニアNISA(未成年者少額投資非課税制度)およびNISA口座・ジュニアNISA口座についてのご注意事項はこちらをご確認ください