【第225回】金利上昇に直面する住宅ローン世帯の選択①

金利上昇に、住宅ローン世帯はどう向き合うのか

2026.02.11

金利上昇に、住宅ローン世帯はどう向き合うのか

 最近、「住宅ローンの金利が上がってきている」というニュースをよく目にするようになりました。実際、日本銀行は2024年から段階的に利上げを進め、私たちの暮らしに身近な住宅ローン金利にも、その影響が少しずつ現れ始めています。
 こうした金利上昇の動きを受けて、特に住宅ローン返済中の世帯はどのように向き合おうとしているのでしょうか。今回のレポートでは、金利上昇という変化に直面した家計がどのような選択をとろうとしているのかを、データから明らかにしていきます。

住宅ローン返済の見直しを検討する人は7割超

 現在、住宅ローンを利用している人に、住宅ローン金利が今後も上昇する場合、返済について何らかの変更を検討するかについてお伺いしたところ、「検討する」と回答した人は72.9%と全体の7割を超えました(図表1)。年代別にみると、50歳代を境に「検討する」割合が低下するものの、60歳代でも62.1%が見直しを検討すると回答しました。

図表1 金利上昇時の住宅ローン返済見直しの検討意向

 さらに「検討する」と回答した人に、具体的な対応についてお伺いしたところ、最も多かったのは「家族と相談する(36.2%)」で次いで、「一部繰上返済をする(34.9%)」、「返済にどの程度の差が出るか自分で確認する(25.1%)」といった、比較的取り組みやすい行動が続きました(図表2)。一方で、金利タイプの変更や他行への借り換えといった、手続きが煩雑となる対応は、相対的に選択率が低い結果となりました。

図表2 金利上昇時の具体的な対応として検討している項目(複数回答可)

 金利上昇に直面し、多くの人が「まずはできることから」と住宅ローン返済の見直しを検討していることが分かりました。中でも比較的取り組みやすい対応として挙げられ実践を伴うのが、「繰上返済」という選択肢です。
 次回は、繰上返済を検討する人の割合や、その背景にあるライフプラン意識に焦点を当てて見ていきます。

コラム執筆者

矢野 礼菜(やの あやな)
三井住友トラスト・資産のミライ研究所 研究員

2014年に三井住友信託銀行入社。堺支店、八王子支店にて、個人顧客の資産運用・資産承継に関わるコンサルティングおよび個人顧客向けの賃貸用不動産建築、購入に係る資金の融資業務に従事。2021年より現職。主な著作として、『安心ミライへの「金融教育」ガイドブックQ&A』(金融財政事情研究会、2023)がある。ウェルビーイング学会会員。

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