【第154回】「金利がある世界」はくる?こない?より②
2024.08.28
前回のコラムで、「住宅ローン金利の今後の動向に対する見解」を確認したところ、“現在、持ち家にお住まいで住宅ローンを今まさに返済している方”が最も「住宅ローン金利の動向に対し何らかの見解あり※1」だということがわかりました。
では、それらの方は住宅ローンの金利が上昇をしたらどのような対応を取ろうと考えているのでしょうか。
まず、住宅ローン金利が上昇した場合、住宅ローンの返済について何らかの変更を検討するかどうかについてお伺いしたところ、「検討する人」が67.2%、「検討しない人」が32.8%という結果となりました【図表1】。
では、「検討しない人」はなぜ検討しないのでしょうか?「検討する人」はどのような内容を検討するのでしょうか。
まず、「検討しない人」に対してその理由をお伺いした結果が【図表2】です。
検討しない理由として最も多いのは「検討や手続きが面倒なので何もしない」(49.1%)でした。また、およそ3人に1人は、「金利が上昇しても返済に困らないので何もしない」(32.5%)を選択していました。
確かに、返済について何らかの変更を行おうとする場合、「変更をすることで得られるメリットはどの程度なのか(もしくは変更を行わないことで生じるデメリットはどの程度なのか)」をまずは考えなければなりません。そしてそれを踏まえたうえで、何らかの変更を行うことに決めた場合、少なくとも借入れている金融機関とのやり取りが発生しますので、日々の生活を送りながら並行してこなしていく負担感は相応にあると思われます。
次に、「検討する人」に対し、返済について具体的にどのような変更を検討したいかについてです【図表3】。
具体的な検討内容として、他の選択肢を大きく引き離して多かったのが「一部繰上返済をする」の45.0%でした。一部繰上返済とは、月々の返済以外に、住宅ローンの残高の一部を予定より早く返済することですが、「一部」繰上返済であれば、手数料などは無料としている金融機関が多く、またインターネット手続きで手軽にできるケースが多いため、手軽に取り組みやすいのかと思われます。
またすぐにアクションを起こすのではなく、まずは「金利上昇によって返済にどの程度の差が出るか自分で確認する」(20.1%)、「借入金融機関へ返済計画見直しの相談をする」(19.9%)が選択されているのは、金利上昇が与える影響をまずは知りたいという自然な気持ちの表れかと思われます。
そこで、そのような外部知見の活用という観点から、「検討する人」と「検討しない人」で「金融リテラシーセミナーへの参加希望」や「金融機関・ファイナンシャルアドバイザーからのアドバイス希望」に差が生じるかについて確認した結果について、次回のコラムでご紹介します。