【第153回】「金利がある世界」はくる?こない?より①
2024.08.21
7月30、31日に行われた日本銀行の金融政策決定会合では、ついに政策金利の引き上げが決定され、いくつかの金融機関では住宅ローン金利の引き上げも発表されています。みなさんは、「今後の住宅ローン金利の動向」についてどのようなお考えをお持ちでしょうか。ミライ研では2024年1月に実施したアンケート調査を基に、「今後の住宅ローン金利の動向に対する見解」と「今後、住宅ローン金利が上昇した場合の対応」について分析しました。
みなさんは、「今後の住宅ローン金利の動向」についてどのようなお考えをお持ちでしょうか。アンケート調査では、今後の住宅ローン金利の動向について「現状よりも上がると思う」「変わらないと思う」「現状よりも下がると思う」「わからない」「関心がない」の5つの選択肢で伺いました。
この設問に対する回答を、まず年代別に確認した結果が【図表1】です。
今回、「現状よりも上がると思う」「変わらないと思う」「現状よりも下がると思う」のいずれかを選択された方を「住宅ローン金利の動向に対し何らかの見解あり」として分析を行ったところ、全年代では「住宅ローンの金利動向に対しと何らかの見解あり」が47.0%、「分からない」が30.6%、「関心がない」が22.4%という結果となりました。この割合は、年代によって大きな差はみられませんでした。
次に同様の設問について、現在の居住形態別に確認したところ、【図表2】の結果となりました。
まず、「住宅ローン金利の動向に対し何らかの見解あり」の割合は、「持ち家」が53.0%と最も多く、「賃貸」が45.6%、「その他」が35.3%と徐々に減少をしていました。また、そもそも「関心がない」の割合は、「その他」では29.1%を占めており、「持ち家」のおよそ1.6倍となっていました。
現在の住まいの形によって、今後の住宅ローン金利に対する考え方・関心度合いには差が生じているようです。
そこでさらに、持ち家にお住まいの方について、「現在、住宅ローンを利用しているか否か」で細分化して確認をしました【図表3】。
すると、持ち家にお住まいの方のなかでも、住宅ローンを利用している(現在、住宅ローンの返済中の)方は、71.3%が「住宅ローン金利の動向に対し何らかの見解あり」と圧倒的に多くなっていました。反対に、持ち家にお住まいの方であっても、「住宅ローンを利用していない方」や「相続・譲渡などで現在の持ち家を保有した方」では、およそ4人に1人は「関心がない」を選択されていました。
当然ながら、今まさに住宅ローンを返済している方にとっては、今後の住宅ローン金利の動向次第では自身の家計にダイレクトに影響を及ぼし得ます。そのため、「今後の住宅ローン金利の動向」がどうなるかについての情報収集を行い、「こうなるだろうから、我が家ではこうしていこう」という計画を立てられている方も少なくないのではないかと思われます。
では、「我が家ではどうしていこう」と思われているのでしょうか。次回のコラムでは、その点について確認してみます。